どうも、リョウです!
星空の撮影って、やったことない人からすると「特別な機材がないと無理でしょ?」って思いがちなんですが、ぶっちゃけ一眼カメラと三脚があれば誰でも撮れます。
僕も最初は「天の川なんてプロしか撮れないでしょ」と思ってたんですけど、実際にやってみたら意外とシンプルで。Sony α7IIIの高感度性能にかなり助けられた部分はありますが、設定の基本を押さえればカメラを問わずきれいな星空写真が撮れるようになります。
ということで今回は、星空・天の川の撮り方を機材選びからカメラ設定、撮影場所の探し方まで一通りまとめました。僕がα7IIIで実際に撮ってきた経験ベースで書いていくので、これから星空撮影に挑戦したい人は参考にしてみてください。
星空撮影に必要な機材リスト
まず揃えておきたい機材から。星空撮影はそこまで特殊な装備はいらないですが、三脚だけは必須です。手持ちで星空を撮るのは物理的にほぼ不可能なので、ここだけは妥協しないでください。
カメラ本体
マニュアルモード(Mモード)が使えて、高感度に強いカメラが理想です。フルサイズセンサーのカメラだとISO感度を上げてもノイズが少ないので、星空撮影との相性はめちゃくちゃ良いです。
僕が使っているα7IIIは、正直この用途にはかなり当たりでした。ISO3200〜6400くらいまで上げても実用レベルのノイズ感で、天の川もしっかり写し出してくれます。APS-Cのカメラでも撮れないことはないですが、ノイズとの戦いがちょっとしんどくなる印象です。
レンズ(広角+明るいレンズが理想)
星空撮影のレンズ選びで大事なのは「広角」と「明るさ」の2点です。
- 焦点距離:14〜24mmくらいの広角レンズが定番。広ければ広いほど天の川を大きく入れられる
- F値:F2.8以下が理想。F1.4やF1.8の単焦点レンズがあると最高
僕は普段FE 24-105mm F4 Gを使っていて、広角端の24mmで星空を撮ることもあります。F4なのでF2.8のレンズと比べると1段暗いですが、α7IIIの高感度性能でカバーできる範囲です。ただ、正直なところ専用の広角レンズが欲しくなる場面は多いです。14mmや20mmで撮った天の川の写真を見ると「やっぱり広角ってすごいな…」となります。
これから星空撮影用にレンズを買うなら、Samyang 14mm F2.8やSIGMA 20mm F1.4 DG DN Artあたりがコスパと描写のバランスが良くておすすめです。
三脚(必須)
星空撮影はシャッタースピード10〜25秒の長時間露光が基本なので、三脚なしでは撮れません。
- 耐荷重はカメラ+レンズの重さの2倍以上
- 脚がしっかりしていて風でブレないもの
- ローアングルに対応していると構図の自由度が上がる
1万円前後のカーボン三脚でも十分使えます。あまり安すぎるものは風が吹くだけでブレるので避けた方が無難です。
あると便利なアイテム
- リモートシャッター(またはスマホアプリ):シャッターボタンを押す振動を防ぐ
- ヘッドライト(赤色モード付き):暗い場所での移動に必須。白色だと目が暗順応をリセットしてしまう
- レンズヒーター:夜露や結露でレンズが曇るのを防ぐ。冬場や山間部では特に重要
- 予備バッテリー:長時間露光はバッテリー消費が激しい。寒冷地だとさらに減りが早い
- 星座アプリ(StellariumやStar Walk):天の川の位置や方角を現地で確認できる
星空撮影のカメラ設定
星空撮影の設定は、基本的にマニュアルモード(Mモード)で全部自分で決めます。オートに任せると暗すぎて何も写らないか、シャッターが開きすぎて星が流れるかのどちらかになるので。
基本設定値の目安
| 設定項目 | 推奨値 | 備考 |
|---|---|---|
| ISO感度 | 3200〜6400 | フルサイズなら3200スタート。APS-Cなら1600〜3200 |
| シャッタースピード | 10〜25秒 | 長すぎると星が線になる(後述の500ルール参照) |
| 絞り(F値) | 開放〜F2.8 | できるだけ開放に近い値で光を多く取り込む |
| ホワイトバランス | 3500〜4500K | RAW撮影なら後から変更可。青すぎず暖かすぎないあたり |
| フォーカス | MF(マニュアル) | AFは暗所で迷うので使わない |
| 記録形式 | RAW | 後処理での調整幅が圧倒的に広い |
| 手ブレ補正 | OFF | 三脚使用時は誤作動の原因になる |
| 長秒時NR | OFF推奨 | ONだと撮影時間が倍になる。後処理で対応可 |
僕のα7IIIでの実際の設定例を出すと、FE 24-105mm F4 Gの24mm端でF4 / SS20秒 / ISO6400が多いです。F4スタートなのでISO感度を高めに設定する必要があるんですが、α7IIIのISO6400はノイズ処理すれば十分使えるレベルです。F2.8のレンズならF2.8 / SS15秒 / ISO3200くらいで、よりノイズの少ない写真が撮れます。
500ルールとNPFルールで星を点に写す
星空撮影で一番やりがちな失敗が「星が流れて線になっちゃった」というもの。地球は自転しているので、シャッタースピードを長くしすぎると星が動いてしまうんです。
500ルール(簡易版)
星を点に写すためのシャッタースピード上限を計算する定番の公式です。
シャッタースピード(秒)= 500 ÷ 焦点距離(mm)
- 24mmの場合:500 ÷ 24 = 約20秒
- 14mmの場合:500 ÷ 14 = 約35秒
- 50mmの場合:500 ÷ 50 = 10秒
APS-Cのカメラの場合はクロップ係数(×1.5)を掛けた換算焦点距離で計算してください。たとえばAPS-Cで24mmレンズなら、500 ÷ 36 = 約14秒が上限です。
ただ、500ルールは高画素機だとちょっと甘い場合があります。最近のカメラは解像度が高いぶん、拡大すると微妙に流れが見えることも。
NPFルール(より正確な計算)
NPFルールは、500ルールをさらに厳密にしたものです。センサーのピクセルピッチ・焦点距離・絞り値を考慮して計算します。
手計算はめちゃくちゃ面倒なので、「PhotoPills」というスマホアプリを使うのが現実的です。星空撮影の計画にも使えるので、星空写真を本格的にやるなら入れておいて損はないです。
僕の場合、α7IIIの24mmでNPFルール計算すると約13秒が上限になります。500ルールだと20秒なので、けっこう差がありますよね。等倍で見なければ20秒でも気にならないレベルですが、大きくプリントしたり厳密にやりたい人はNPFルール基準で撮ると安心です。
ピント合わせの方法
星空撮影でのピント合わせは、正直最初の壁です。暗くてAFが効かないし、ファインダーを覗いても何も見えないし。でもやり方さえ知ってしまえば毎回同じ手順でいけます。
基本の手順(MF+拡大+明るい星でピーキング)
- レンズをMFに切り替える(AF/MFスイッチ、またはカメラのメニューから)
- ライブビューで明るい星を探す:画面に見える一番明るい星にカメラを向ける
- 拡大表示にする:α7IIIならカスタムボタンに「フォーカス拡大」を割り当てておくと便利。5倍〜10倍に拡大
- フォーカスリングをゆっくり回す:星が一番小さな点になるところが合焦位置
- ピーキング機能を活用:α7IIIのMFアシスト(ピーキング表示)をONにしておくと、合焦部分に色が付くので確認しやすい
- 試し撮りして拡大確認:撮った写真を拡大して、星が点に写っているか確認
ピントが合ったら、テープでフォーカスリングを固定してしまうのも手です。撮影中にうっかり触ってずれるのを防げます。
∞(無限遠)マークに合わせるだけじゃダメ?
レンズの距離指標で無限遠マーク(∞)に合わせれば星にピントが合いそうなイメージがありますが、ぶっちゃけそれだとズレることが多いです。レンズによって無限遠の位置に若干の遊びがあるので、必ずライブビューで実際に確認してください。
天の川の撮影時期と方角
天の川自体は一年中空にありますが、写真映えする濃い部分(天の川の中心部=銀河中心方向)が見えるのは時期が限られています。
ベストシーズン
- 3月下旬〜4月:深夜〜明け方に南東の低い位置に見え始める(早起き必須)
- 5月〜7月:夜半から天の川が南の空に立ち上がる。このあたりが一番撮りやすい
- 8月〜9月:日没後すぐに南の空に天の川が見える。夏の定番シーズン
- 10月以降:日没後に西の空低くに沈んでいく。撮影チャンスが減る
僕の感覚だと、5月〜9月の新月前後が一番狙い目です。月明かりがあると天の川が淡くなってしまうので、月齢のチェックは必ずしてください。
天の川の方角
天の川は南〜南東の方角に見えます。時期や時間帯によって位置が変わるので、事前にアプリで確認するのがベストです。
- Stellarium(無料):PC・スマホ両対応のプラネタリウムアプリ。日時と場所を指定して天の川の位置をシミュレーションできる
- PhotoPills(有料):撮影計画に特化。AR機能でスマホをかざすと天の川の位置が表示される
光害マップで撮影場所を探す
星空撮影で撮影場所選びはめちゃくちゃ大事です。どれだけカメラの設定を追い込んでも、街の光が明るい場所では天の川は写りません。
光害マップの使い方
Light Pollution Mapというサイトで、世界中の光害レベルを地図上で確認できます。
- 色が青〜黒のエリア:天の川がバッチリ見える。最高の環境
- 緑のエリア:天の川は見えるが、地平線付近は光害の影響あり
- 黄色〜オレンジのエリア:明るい星は見えるが天の川は厳しい
- 赤〜白のエリア:市街地。星空撮影には不向き
目安として、最低でも緑のエリア、できれば青エリアまで行きたいところです。都市部から車で1〜2時間くらい走れば、けっこう暗い場所に出られることが多いです。
撮影場所を決めるときは、光害マップに加えて天気予報(雲量)と月齢もセットで確認してください。晴れていても月が明るいと台無しになります。
構図のコツ:前景を入れる
星空だけをドーンと撮るのも悪くないですが、正直それだけだとのっぺりした写真になりがちです。星空撮影で写真の完成度をグッと上げるコツは、前景を入れること。
前景に使える被写体
- 木のシルエット:定番。一本の印象的な木があると構図が締まる
- 山や稜線:地平線のラインが星空との境界を作る
- 湖や水面:星空が反射して幻想的な雰囲気に
- テントや車:キャンプ場での星空撮影なら自然に入れられる
- 建物・鳥居・灯台など:人工物と星空のコントラストが面白い
構図のポイント
- 地上と空の比率:下1/3を地上(前景)、上2/3を空にするのがバランス良い。ただし前景が魅力的なら半々でもOK
- 天の川の位置:天の川を画面の中心に持ってくるか、三分割のラインに乗せるか。アーチ状に入れるなら超広角が必要
- 水平をしっかり取る:暗い中での撮影は水平が狂いやすい。カメラの水準器を活用
僕が最初の頃やってた失敗は、星空に夢中になりすぎて前景を全く考えていなかったこと。帰ってきてから見たら「きれいだけど、どこで撮ったか分からない写真」になってて、ちょっとがっかりした記憶があります。
撮影後のRAW現像のポイント
星空写真はRAW現像でかなり化けます。撮って出しだと「あれ、こんなもん?」って思うことが多いんですが、現像で天の川のディテールをグッと引き出せます。
Lightroomでの基本的な調整
- ホワイトバランス:色温度3800〜4200Kあたりで自然な青に。色かぶり補正で緑〜マゼンタの微調整
- 露光量:少し持ち上げる(+0.3〜0.7程度)
- コントラスト:+20〜40くらいで天の川のメリハリを出す
- ハイライト:下げる。明るい星が白飛びするのを抑える
- シャドウ:持ち上げる。前景のディテールを出す
- 明瞭度:+30〜50。天の川の構造がはっきりする
- かすみの除去:+10〜30。天の川のコントラストが上がる
- ノイズ軽減:輝度ノイズを20〜40くらいで処理。やりすぎるとディテールが潰れるので注意
レンズ補正も忘れずに
広角レンズで撮影すると周辺減光(ビネット)が出やすいです。Lightroomのレンズ補正プロファイルを適用するか、手動で周辺光量を持ち上げてあげると、画面全体が均一な明るさになります。
あと、広角レンズ特有のコマ収差(画面隅の星が鳥の羽みたいに変形する現象)は、現像ではほぼ直せません。これが気になる場合は、1段絞って撮影するのが根本的な対策になります。
よくある失敗と対策
僕自身の失敗経験も含めて、星空撮影でありがちなトラブルとその対策をまとめておきます。
星が流れて線になる
原因:シャッタースピードが長すぎる
対策:500ルールまたはNPFルールで適正なシャッタースピードを計算する。迷ったら短めに設定してISO感度で補う
ピントが合っていない
原因:無限遠に合わせたつもりが微妙にズレている、または撮影中にフォーカスリングが動いた
対策:ライブビュー拡大で明るい星にピントを合わせ、テープで固定。数枚ごとに確認する
レンズが曇る
原因:夜露や急激な温度変化による結露
対策:レンズヒーターを巻く。持っていなければレンズフードを付けてこまめにチェック
天の川が写らない・薄い
原因:光害が強い場所で撮影している、月明かりがある、時期や方角が合っていない
対策:光害マップで暗い場所を探す。新月前後を狙う。アプリで天の川の位置を確認する
写真全体が赤っぽい・オレンジっぽい
原因:ホワイトバランスが高すぎる、または光害(街明かり)の影響
対策:WBを3500〜4000K付近に設定。RAW撮影なら後から修正可能。光害の影響がある方角は避ける
バッテリーがすぐなくなる
原因:長時間露光+ライブビューの連続使用、寒冷地でのバッテリー性能低下
対策:予備バッテリーを2〜3本持っていく。寒い場所ではポケットでバッテリーを温めておく
よくある質問
- スマホでも天の川は撮れますか?
- 最近のハイエンドスマホ(iPhone 15 Pro、Pixel 8 Proなど)には星空モードやナイトモードが搭載されていて、条件が良ければ天の川も写ります。ただし、一眼カメラと比べるとディテールや階調はかなり差があります。「記録として残す」ならスマホでもアリですが、「作品として仕上げたい」なら一眼カメラ+RAW現像が圧倒的に有利です。
- 赤道儀は必要ですか?
- 赤道儀があると地球の自転に合わせてカメラが動くので、長時間露光しても星が流れません。ISO感度を下げてノイズの少ない写真が撮れるのが最大のメリットです。ただ、固定撮影でも十分きれいな星空写真は撮れるので、まずは三脚+固定撮影から始めて、物足りなくなったら導入を検討するくらいで良いと思います。ポータブル赤道儀なら3〜5万円くらいから手に入ります。
- 星空撮影でおすすめのカメラ設定登録はありますか?
- α7IIIの場合、カスタム撮影設定(1/2/3)に星空用のセッティングを登録しておくと便利です。僕は「Mモード / ISO3200 / SS15秒 / F開放 / MF / WB 4000K / 手ブレ補正OFF / 長秒時NR OFF」をカスタム1に入れています。現地に着いたらダイヤルを回すだけで星空モードに切り替えられるので、セットアップ時間が短縮できます。
- 街中でも星の写真は撮れますか?
- 天の川は厳しいですが、明るい星や星座レベルなら撮影可能です。光害カットフィルター(Kenko スターリーナイトなど)を使うと、街灯のオレンジ色の光をカットして星を強調できます。ただ根本的には暗い場所に行くのが一番効果的なので、街中での撮影はあくまで練習と割り切った方がいいかもしれません。
まとめ
星空・天の川の撮影は、やることを整理すると意外とシンプルです。
- 暗い場所に行く(光害マップで確認)
- 新月前後を狙う
- 三脚に固定してMモードで撮る
- ピントはMFでライブビュー拡大
- RAWで撮って現像で仕上げる
僕もα7IIIとFE 24-105mm F4 Gという、星空専用とは言えない組み合わせで撮り始めましたが、それでも天の川はしっかり撮れました。もちろん専用の広角レンズがあればもっと楽に、もっときれいに撮れるのは間違いないですが、まずは手持ちの機材で試してみるのが一番です。
夜の撮影は昼間とは全然違う楽しさがあるので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。